ショーウィンドウ特集その17──クラクフのギフトショップとヴロツワフのCepelia
続いて、2005年夏のチェコとポーランド旅行の写真から、ポーランドで撮ったショーウィンドウの写真にいきたいと思います@
2ヶ所で、3枚、撮っています。
1枚目は、ポーランドの中では首都ワルシャワよりも観光客に人気のある、古都クラクフで。
かつてのポーランド王国は、ワルシャワ遷都にされる前は、首都はクラクフにありました。
余談ですが、いま、ポーランドの中で首都ワルシャワは地理的にちょうど真ん中にありますが、いまの国境は第二次大戦終戦時に大きく東にずれたので、かつてワルシャワはポーランドの中でも、どちらかというと東の辺境地帯にあったんですよ。
その古都クラクフは、第二次世界大戦中はドイツ軍の司令部があったため、戦禍を免れました。ゆえに、そのときに徹底的に破壊されてしまったワルシャワよりは、古い街並みが残り、観光客を惹きつけるのです。
ぶっちゃけていうと、ポーランドの京都、とでも言えるでしょうか。
それだけでなく、クラクフはポーランドの中でも、いまでもアーティストの集まる街で、現代アートの中心地ともいえるようです。
ぶっちゃけていうと、ポーランドのミラノ、とでも言えるでしょうか。
そのクラクフでのショーウィンドウの写真は、初日、ヴァヴェル城の庭で野外オペラ公演を鑑賞した帰り(それも、深夜でーす@)、駅前にとったホテルに戻るため、旧市街のメインストリートであるグロスカ通り(Grodzka)を突っ切っているときに撮りました。
クラクフにはドラゴン伝説があるのですが、それをモチーフにしたと思われる飾りに目が引かれたのです。
ただ、写真は、ガラスに光が反射してしまって、いまいちなんですよ~~。それに、少しピンボケですし……(泣)。
ズームします。右側のドラゴンの飾り、わかりますかしら。
日本人のイメージするドラゴン、そのものですね。かつては私も夢中になったコミック「ドラゴンボール」に出てくるドラゴンのようではないですか。ん、違う?
光が反射してしまっていますが、イースターエッグの飾りもなかなかでした。
それから、クラクフに限らなかったのですが、ポーランドでは、ステンドグラスが、アートショップなどの作品としてではなく、おみやげとしてよく売られていました。
ステンドグラス、といっても、教会にあるような精巧なものや聖書をモチーフにしたような敷居の高そうなものではなく、これなら自分の家のインテリアとしていいんじゃないか、というかんじのものです。
店内が暗いので、黒っぽくなってしまっているのが残念ですが、こういうかんじ、というのは、少しはおわかりになるでしょうか。
ちなみに、クラクフのドラゴン伝説は、Lonely Planetには詳しく書かれてあります。
いやはや、ポーランドに観光に行く日本人はそう多いわけではないせいか、日本のガイドブックはポーランドに関する記述が少ないです。
今回の旅行では久しぶりにLonely Planetを買いましたが、記述の詳しさに、改めて見直しました。
個人で旅行する私の場合は、現地の市内観光ツアーでもない限り、街中のそこかしこに潜む歴史遺物や史跡の説明を受けられませんからね。とても重宝しました。
ドラゴン伝説は、簡単に説明しますと……。
昔、ヴァヴェル城に、クラックまたはクラウスという賢い王子様が住んでいたときのことです。そのヴァヴェル城の地下洞窟にはドラゴンが住みついていて、家畜を食糧にし、人々に恐れられていました。そこで王子は、ドラゴン退治のために罠をしかけることにしました。羊の腹に硫黄を詰めて、その羊がドラゴンに食べられるよう、しむけたのです。硫黄のせいで、ドラゴンは喉がカラカラ。ヴィスワ川の水を飲んでも飲んでも喉の渇きは満たされず、とうとうお腹が裂けてしまいましたとさ。
こんなかんじですかね。
このため、クラクフには、ドラゴンをモチーフにしたものがあちこちにあるんですよ。こんな風におみやげの中にもドラゴンものがありますしね。
なによりもヴァヴェル城には、そのドラゴンが生息していたといういわれのある洞窟があります。残念ながら、そっちは見学する時間をとれませんでしたが。
ドラゴンの洞窟の気ケットは、ヴァヴェル城の気ケット売り場で買えます。そう、一応、有料なんですよ@
クラクフのショーウィンドウ写真がいまいちなので、ひき続きヴロツワフで撮った写真も、一緒にご紹介しようと思います。
ポーランドには、Cepelia(チェペーリア)という、全国主要都市にあるポーランド民芸品チェーン店があります。その背景には、ポーランド各地に残るフォークアートの保存というコンセプトがあり、Cepelia系列には、フォークアート職人のための財団法人もあるようです。
そもそもポーランドに旅行したい、と思ったきっかけが、民族衣装に代表されるような、きれいで可愛いフォークアートをたくさん目にしたい、ということでした。そんな私が、Cepeliaに目をつけないはずがありません。
ポーランドの民芸品には、木製の台所用品、彫刻、チェスボード、木箱、切り絵、表面に絵が描かれた卵(イースターエッグ)、ゴブラン織り、麦わら人形や小物、柳細工、金属製品およびガラス製品などがあります。
この中で見事なのは、切り絵ですね。今回、写真には撮って来れませんでしたが、ワルシャワにある民族博物館では、それはそれはもーう、すばらしい切り絵作品をたくさん堪能させていただきました@
切り絵や、切り絵を使った壁飾りも、可愛くて軽くてそれほど高くないので、自分用にもおみやげ用にも買って帰ってきています。もぉ~、当然!ってかんじ?
Cepeliaのお店は、クラクフにもあったと思うのですが、見かけませんでした。
クラクフの観光の中心地ともいうべき旧市街の中央広場に、織物会館という、1階のアーケード内が今ではお土産屋の市場のようになっているところがあるのですが、その中にあったかもしれないけれど、そのたくさんのお土産屋に目がくらんで、気づかなかっただけかもしれません。
あるいは他の場所にあったとしても、織物会館にあれだけ土産屋が並んでいたら、知っていてもわざわざ行こうと思ったかどうか。
なので、Cepeliaを最初に見かけたのは、次の訪問都市であるヴロツワフです。ただし、すでに閉店時間を過ぎていたので、「ああ、これがあのCepeliaか!」と思っても、中に入ることはできませんでした。そして、ヴロツワフは一泊しか予定を入れていませんでしたので、翌日にまた出向くというわけにも行きませんでした。
なので、ショーウィンドウの写真を撮りました。
まずは、ポーランドの民族衣装でパッと目を引いたショーウィンドウ。
ズームします。
ポーランドの民族衣装に限りませんし、ポーランド内でも地方によってさまざまなタイプの民族衣装がありましたが、このように、バイヤステープのようなリボンのような紐のようなものをたっぷり使って凝った模様にしたチョッキが、わりと特徴的ですよね。
赤い玉のネックレスは、この素材がいまさらながら気になってきてしまいました。いまならさしずめプラスチックやガラスで簡単にこういうアクセサリーが作れるでしょうが、伝統衣装となると、プラスチックやガラスということはないでしょう。きっとこんな風にアクセサリーになれる半貴石だと思うのです。
スカートの部分は、赤字に花柄です。次の写真は下の方にあった、民族衣装を着た人形に焦点をあてたズームですが、民族衣装のスカート部分もご覧になれますかしら。
人形たちも、特に右から2つめの人形は、いかにもポーランドの農夫というかんじがしませんか?
よっく見ますと、人形というよりは、人形をかたどった木製の置物というかんじですね。
民族衣装は、別にCepeliaでなくても、さきほど触れたクラクフの織物会館だけだなくあちこちの土産屋や民族衣装専門店で、見ることも、買うこともできます。むしろ、民族衣装についていえば、Cepeliaよりそういう店の方が、品揃えは豊富ですね。
Cepeliaの品揃えは、ポーランドの各地の民芸品が、まんべんなくそろっているところがセールスポイントではないかと思います。ま、味気ないことを言ってしまえば、どこのCepeliaでも、だいたい同じものが手に入る、と言えなくもないですが……。
ただし、やっぱり地方都市と首都、観光客がよく訪れる町とそれほどでもない町とでは、物価と、店舗の規模によって品揃えの豊富さに差はありましたね。
ポーランド旅行中にCepeliaを探せた都市は、ヴロツワフは中に入れませんでしたが、トルン、ルブリン、ワルシャワです。やはり、ワルシャワのCepeliaの品揃えは、抜群でした@
ワルシャワのCepeliaは、中央駅からそう遠くないところ、マルシャルコフスカ通りを挟んだノヴォテル・ホテルの向かいにありました。ノヴォテル・ホテルは、私がワルシャワ滞在中に泊まったホテルです。
そこで、ポーランドの民芸品の中で、ものすごく可愛い!とお気に入りになった模様の陶器を買うことができました。
それも、一番私にとって実用価値も伴う、マグカップです@
その模様の陶器、最初に見かけたのはクラクフの織物会館のギフトショップでした。
そのときは、模様がいくら可愛いいっても、むしろ壁掛けとなるような大きなスプーンだったりしたので、せっかく買って帰っても使わないで飾りにしかなりそうにないのがネックでした。
それに、これから2週間、ポーランド各地を一人で歩き回る身としては、あんなにも大きくて重くてかさばるものを買う気にはなれませんでした。
ヴロツワフのCepeliaのショーウィンドウで再び同じ模様の陶器で別のカトラリーやイースターエッグを見つけたときは、いったんは買いたい!と思い詰めたほど執着のあったシリーズだっただけに、店が閉まっているのが非常に残念で悔しかったです。
だって、ヴロツワフのCepeliaにあったものは、クラクフで見かけたのよりは、小さくて、持ち運びもしやすそうでしたから。たとえば、イースターエッグとか。割れやすくて取扱注意の陶器でも、2週間の一人旅行をしのげるだろうと思いました。
ああ、でも、ヴロツワフで買わなくて、結果的に正解でした。イースターエッグは、やはり飾りにしかなりませんもの。
というのも、同じ模様のものでマグカップを、ワルシャワのCepeliaで見つけたのです。それも、出国日に、あとは空港に向かうだけ、という時に、最後にちょっとCepeliaを覗いてみて見つけたのです。
マグカップであれば、コーヒー好きの私は、毎日愛用することができます@
そのマグカップの写真はありませんが、ヴロツワフのCepeliaのショーウィンドウで撮ったもので、私がそれほどに気に入った模様をお見せすることができます。
これです。
ズームします。
ハート型の皿は、飾り皿でしょうか。いえいえ、ふたつのでっぱりのところに副菜やお新香などを入れてもいいですね。……それって、ポーランド料理か?!
調味料入れもステキです。こんなのがテーブルにあったら、塩こしょうをかけすぎてしまいそうです@
器も、料理を盛るよりは、このままでいいってかんじ。でも、そのうえにさらに、皿としての機能もあるので、持ってて二重に嬉しいってかんじです。
こちらの2枚も、料理を盛るよりは、こうして飾り皿として眺めていたいですね。小さなピッチャーは、ミルク入れでしょうか。
ベルなど、大きさ的にも模様のバランス的にも絶妙です。
イースターエッグ。これなんか、きっと値段も適当だろうし、実用目的でなくても買いたくなってしまいました。閉店でなければ、きっとこのあたりを買っていたにちがいありません。
でも、実際には、私にとって一番使い勝手のあるマグカップで、このシリーズのものを買うことができました。
模様をつくづく眺めても、やはり花の一つ一つ、手作業で描かれたものだってわかりますよ。
いやぁ、このカップ一つだけでも、ポーランドに行きたいと思った最初のきっかけが満たされた気がします。
2005年の旅行からのショーウィンドウ写真はこれで終わってしまいましたので、次回からは、店内写真シリーズを再開したいと思います。
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