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博物館シリーズその13──クラクフ市歴史博物館のショプカたち

ちょっと季節はずれですが、クリスマスの話題。
クリスマスの飾りというとクリスマスツリーが真っ先に思い浮かびますが、ヨーロッパでは他に、キリスト生誕の場面の人形たちの置き物や、そのジオラマも優勢のようです。

いままでの海外旅行で縁のあったキリスト生誕場面の人形たちは、イタリアの「プレゼピオ(presepio)」、ドイツの「クリッペン(Krippen)」、それからポーランドの「ショプカ(Szopka)」です。
このように各国でそれぞれ呼び名があるようです。

語源は、イタリア語はプレゼピオはラテン語の「飼い葉桶」の意味のpresepiumらしいです。
ドイツ語の場合は、Krippeで辞書を調べると、やはり「飼い葉桶」とありました。
ついでに、託児所もKrippeと呼ぶこともあるようです。赤ちゃんイエスが収められていた場所という連想からでしょうか。

案外、ポーランドのショプカも、実は「飼い葉桶」という意味だったりして。
とすると、キリスト生誕場面のクリスマス飾りのことはヨーロッパ各地で色々呼ばれているでしょうが、単に言語の違いだけで、訳せばどれも、飼い葉桶、飼い葉桶、飼い葉桶、飼い葉桶……だったりして@

最初にキリスト生誕場面の飾りに縁があったのは、1990年代によく旅行したイタリアです。
クリスマス時期ではなくても、教会の秘蔵品が見られる機会は幾度とありました。
また、覚えている限りでは、ナポリの聖エルモ城にあるサン・マルティーモ修道院附属博物館に、すばらしいプレゼピオのコレクションがあります。
天使の人形をワイヤーで宙づりにして、天使が降りてくる様子まで模型化されていました。
照明も、朝焼けから昼間、そして夕方になり、真っ暗な夜……という風に演出がなされていました。

イタリアのプレゼピオは、そんな風に博物館のコレクションでも教会でも、イエスの生誕場面だなぁというのがわかるようなものしかお目にかかりませんでした。
ところが、残りのドイツとポーランド。
私が見たイエス生誕場面のジオラマは、主役は誰?───ってかんじでした(笑)。

ドイツで見たイエス生誕場面のジオラマこと「クリッペン」でとてもよく記憶に残っているのは、ミュンヘンのバイエルン国立博物館のコレクションです。
それはそれは見事な……ドイツらしい中世の町のジオラマなのです。
生き生きとした庶民たちの姿に、陳列された商品まできっちり整ったお店。なつかしのお人形さん遊びがしたくなりました。

そう、ドイツといえば、おもちゃ博物館を回るのがとても楽しかったのですが、ドイツで初めてクリッペンを見たとき、これはドールハウスの街並みバージョンかな、って思ってしまったくらいです。

たぶん、もっと家庭用の規模の小さいものなら、まさしく聖書から連想されるイエス生誕場面───飼い葉桶の中の赤ちゃんイエスに、聖母マリアと大工ヨセフ、なのでしょう。
人形だけでなく背景も加わるのであれば、まずは厩で、そこに馬や牛たちが加わるでしょう。
もうちょっと豪華になると、星に導かれてメシア(救世主)の誕生を知って拝みに来た羊飼いや東方三賢者、ってあたりも加わる、といったところでしょうね。

……なんだか、雛壇を連想してしまいました。
まあちょっと前までその季節でしたからね。
最近は、デパートなどを覗くと、男雛・女雛2人だけのものもよく見かけますが、豪華になっていくと、そこに三人官女に五人囃子……と、段が増えていきますよね。
しかし、日本の雛壇では、さすがに都市のジオラマまでは見たことがありません(笑)。

ドイツのイエス生誕場面は、豪華なものは中世都市のジオラマかと勘違いするようなものを見てきましたが、それでもちゃんと、厩があって、赤ちゃんイエスとマリアとヨセフはいました。
目立つ位置にいるかどうかは、別として……。

ところが、ポーランドで私が見たイエス生誕場面こと「ショプカ」では、イエスたちは、ちっともわかりませんでした!
もうちょっとわかりやすければ、イエス生誕場面の飾りのポーランド版とわかったでしょうに。
後で知って「あれのどこがイエスの生誕場面!?」と驚いたくらいです。

ま、撮った写真をじっくり見てみたら、全体の豪華さにくらべると、むしろ「おまけ?」ってかんじで、それらしきものがチョロっとあったりしましたけれど@

実際に目にしたのは、クラクフの歴史博物館です。
実は、クラクフの歴史博物館のショプカについては、すでにこのブログでご紹介しています。

「旅先でお邪魔した店内シリーズ(8)――クラクフの織物会館」
http://mami1.cocolog-nifty.com/travel_diary1/2005/12/post_da47.html

クラクフでは、毎年12月初旬、歴史博物館主催でショプカ・コンクールがあるようです。
私が見たのは、たぶんその歴代の優勝作品。

ショプカ・コンクールについては───。
「60年以上も続く、クラクフの中世、ルネッサンスやバロック時代の歴史的な建物の模型のコンテスト。クラクフでは13世紀よりクリスマスの時期にこの種の模型を作ることが伝統となっている」
だそうです。
出典はこちらです。ショプカ・コンクールでなく、「最も美しい模型小屋コンテスト」ってありますけど。
http://www.big-tour.com/tour/this/event/pola_event.html

クラクフ歴史博物館のショプカ・コレクションは、チケット売り場のすぐ後ろのスペースに展示されています。
博物館の扉を開けたら、すぐに目に入ります。

歴史博物館もいいかもしれない、と気付いて出かけたのは、クラクフ滞在2日目、ヴィエリチカ岩塩坑から戻ってきて、残りの半日を再び市内観光にあてていたときでした。

しかし、博物館に到着したときには、すでに閉館時間の5時。
「明日また来てください」と言われても、明日はアウシュヴッツ・ツアーを予約しています。その次の日は、朝早くクラクフを去るという日程。
すんごくすんごく面白そうな展示なのに、このまま見ることも叶わず、クラクフを後にしなければならないのか、と、そのときは非常に後ろ髪ひかれる思いで立らざるをえませんでした。

ところが、幸か不幸か、翌日のアウシュヴッツ・ツアーは午後2時頃には終わってしまったので、この博物館を見学する時間がとれました(代わりにビルケナウの見学は物足りなかった!)。

入場料は3.50ズウォティでした。1ズウォティを2005年7月のレートを元に円安めに約40円として換算すると、約140円です。
そして写真代は10ズウォティで、約400円。
安くありません。入場料に比べたら、割高感がひしひしです。

でも、ぜひぜひあの面白い展示の写真を撮りたかったので、写真代も払うのに躊躇しませんでした。
ポストカードより上手な写真が撮れるとは思っていませんでしたし、実際に、現像からあがってきたのを見てがっかりしましたが……しかし、自分のカメラで撮っておけば、こうしてブログで紹介できると思いました。
やっとその目的が果たせます。

ちなみに、その歴史博物館で目を引いた最初に展示が「ショプカ」、つまりイエス生誕場面のクリスマス飾りの置き物だと知ったのは、後日です。
展示作品の前にあるプレートに必ずSzopkaと書かれていて、それからおそらく作者名と年代があったところから、どうやらコンクールの優勝作品ではなかろうか、というのは見当つきました。
しかし、見学中は、Szopkaって、そのコンクールを主催する企業か団体かの名前かとずっと思って見てたんですよ。

ショプカとは何ぞや───クラクフで買った英語のポーランド・ガイドブック(KD Eyewitness Travel Guidesシリーズの「Poland」)や、イラスト満載の会話集「旅の指さし会話帳」の欄外にありました。
列車の待ち時間に、それまでゆっくり読むヒマのなかった会話集をひっくり返したときに気付き、それでやっと謎が解けました。

でも、これから撮ってきた写真をご紹介しますけれど……あのクラクフの歴史博物館のショプカ・コレクションは、むしろ、ファンタジーの世界のお城や教会の模型みたいです。

2005_Krakow_Szopka_Castle1

ステキなお城の模型ですよね。1984年の作品だそうです。
こんな風に煌びやかなものが多かったです。

ああ、でもこれは、よく見ると、イエス生誕場面がありますね。

2005_Krakow_Szopka_Castle1_zoom1

下は、人形が回転して顔見せしていました。
王様が姿を見せたところです@

2005_Krakow_Szopka_Castle1_zoom2

跳ね橋の両サイドには見張りの兵隊さんたちがいます@

次は、ショプカとドラゴンです。2001年の作品。

2005_Krakow_Szopka_Dragon

クラクフには、ドラゴン伝説があります。
そのドラゴン伝説についてもすでにこのブログで説明していますが、もう一回ここにまんま引用してしまいますと……。

昔、ヴァヴェル城に、クラックまたはクラウスという賢い王子様が住んでいたときのことです。そのヴァヴェル城の地下洞窟にはドラゴンが住みついていて、家畜を食糧にし、人々に恐れられていました。そこで王子は、ドラゴン退治のために罠をしかけることにしました。羊の腹に硫黄を詰めて、その羊がドラゴンに食べられるよう、しむけたのです。硫黄のせいで、ドラゴンは喉がカラカラ。ヴィスワ川の水を飲んでも飲んでも喉の渇きは満たされず、とうとうお腹が裂けてしまいましたとさ。

情報源は、日本でもよく手に入りやすい英文ガイドブックLonely Planetです。

詳しくはこちら。
「ショーウィンドウ特集その17──クラクフのギフトショップとヴロツワフのCepelia」
http://mami1.cocolog-nifty.com/travel_diary1/cat1836109/index.html

このドラゴン伝説があるがゆえに、ドラゴンにショプカを持たせる、というモチーフが出てきたのでしょう。

ズームします。
このドラゴンは、愛嬌があって可愛い顔をしています。

2005_Krakow_Szopka_Dragon_zoom1

首のところだけ切り離してみると、ちょっとカエルっぽいかも(笑)。

ドラゴンが手にしているショプカにフォーカス!

2005_Krakow_Szopka_Dragon_zoom2

これは、どう見ても見あたりませんよねぇ、聖母子たち。

2005_Krakow_Szopka_Dragon_zoom3

こちらは、またしても煌びやかなお城……いや、教会ですね。2000年の作品。

2005_Krakow_Szopka_Church

これもよく見ますと、真ん中のドームの下に、イエス生誕場面があるような……。

2005_Krakow_Szopka_Church_zoom1

青いドレスに赤いマントの聖母マリアがいます。
その後ろにいるのは、きっとヨセフ。
天使たちもいますし、両サイドに見られる冠を被った人たちは、おそらく三賢者です。
三賢者は、よくキリスト教美術では、三人の王様の姿で描かれることがありますから。

その上もズームしてみましょう。

2005_Krakow_Szopka_Church_zoom2

白地に十字の聖職者が見えますね。
両脇の窓ガラスがステキです。一応、ステンドグラスでしょう。

その上もズームしてみましょう。

2005_Krakow_Szopka_Church_zoom3

こちらもステンドグラス窓がステキです。
青地に白い人の姿は、教会のファッサード(表)によく装飾のように設置されている、人物の彫像だと思います。

白い、清楚なお城です。いや、教会かな。1998年の作品。

2005_Krakow_Szopka_Castle2

これもよく見ると、いましたよ、赤ん坊のイエスにマリアたち。

2005_Krakow_Szopka_Castle2_zoom1

ちょっとわかりづらいですが、揺り籠……ならぬ飼い葉桶が見られます。

上へ上へと区切ってズームしていきます。

2005_Krakow_Szopka_Castle2_zoom2

バルコニーにいる人たち。旗を持ったり、星印のなんかを持ったり……。
最初、「4」という符号から、4人の福音書記者かなぁと思ったのですが、違うみたいですね。

2005_Krakow_Szopka_Castle2_zoom3

楽器を持った天使が2人います。

2005_Krakow_Szopka_Castle2_zoom4

おお、ドームが格好いいです@
てっぺんのワシは、ポーランドの国旗にも使われているワシからモデルをとったのかしら。

最後の写真は、実はすでに一度、このブログで、さきほどのショプカの話を紹介したときに紹介済みなのですが───クラクフの織物会館内の土産屋の屋台の中に、ショプカらしき売り物がありましたからね───ここでもう一度、ご紹介したいと思います。

2005_Krakow_Szopka_Lajkonik_zoom1

ショプカとライコニック(Lajkonik)です。
入口に一番近いところに展示されていました。

「ライコニック」は、クラクフの春の祭りで、キリスト聖体祭後の第一木曜日に行われるそうです。伝統衣装を来た人々のパレードが行われるようです。
この馬にまたがった赤い服の御仁は、かつてポーランド人と争うことのおおかったタタール人のリーダーのようです。
情報源はLonely Planet。クラクフの章に、ライコニックについての囲み記事があります。

その囲み記事も、気付いたのは後日です。
歴史博物館見学中は……いや、クラクフ滞在中は、ポストカードでこの派手なおじさんの写真を見ても、せいぜい何かのお祭りの扮装だろうなぁ、くらいしかわかりませんでした。
妙にアラブチックというか、ヨーロッパ人らしくないとは思っていましたが、タタール人といえば、トルコ系。まあ、ぎりぎりアラブチック!?

ポーランドやハンガリーといった中欧諸国は、タタール人といい蒙古といいオスマン・トルコといい、東からのアジア系民族進入の防波堤の役割を果たしてきました。
そしてそういった戦いを通じ、あるいは国土の半分以上が占領されたり蹂躙されたりの歴史のせいでしょうね、東欧には西欧にないエキゾチックさがあって、それがいまの私をとても惹きつけています@

写真に戻りますが、さきほどの写真は、実は少しトリミングをしています。
元の写真はこんなかんじです。

2005_Krakow_Szopka_Lajkonik

ショプカにフォーカス!

2005_Krakow_Szopka_Lajkonik_zoom2

このショプカにも、もしかしたら真ん中の金のドームの下あたりに、聖母子がいらっしゃるのかしら。

2005_Krakow_Szopka_Lajkonik_zoom2a

ううむ。赤いチョッキの髭のおじさんしか、わかりませんねぇ。

今度はライコニックおじさんにフォーカス!

2005_Krakow_Szopka_Lajkonik_zoom3

なんか、目が白目でこわい……。

2005_Krakow_Szopka_Lajkonik_zoom3a

よっく見ると、ちゃんと黒目があるみたいですけど、でも、やっぱ、こわい顔……。

次にライコニックおじさんの足下の紋章にフォーカス!

2005_Krakow_Szopka_Lajkonik_zoom4

枠の文字では「クラクフ市歴史博物館(MUZEUM HISTORYCZNE MIASTA KRAKOWA)」って書かれてありますが、真ん中の紋章は、クラクフの市紋でしょうね。

それにしてもショプカはカラフルですよね。
ご紹介した中には、白いお城もありましたが、どちらかというとキラキラと煌びやかなのが、ポーランド風「イエス生誕場面の模型」なのでしょうか。

ポーランドの教会や宮殿はこんなにカラフルではないです。
どちらかというと、まるでロシアの教会みたいです。

たとえば、2000年度のロシア旅行で撮った写真をお見せしましょう!
サンクト・ペテルブルクのスパース・ナ・クラヴィ教会です@
視覚的予備知識なしに現地で初めてこの教会を目にしたときは、お菓子の家かと思ってしまったものです。

2000_SPeterburg_Church1

テイストは同じですが、もう2つ。
ピョートル大帝の夏の離宮があるペーターゴフ市で見かけた教会です。

2000_Petergof_Church

それから、モスクワの赤の広場にあるワシリー教会です。
これが一番、写りがいいかな。

2000_Moskow_WasiliChurch

この教会は、あまりに美しかったため、その設計者は、時の皇帝で残忍なことで有名なイワン雷帝によって目をくりぬかれた、という伝説があります。他でこれ以上に美しい教会を造らせないためです。
もっともあくまで伝説で、事実ではないみたいですけどね。

ちなみに、クラクフの歴史博物館の展示はショプカだけではないです。もちろん。

逆にショプカは、チケット売り場の後ろの1階のエリアにしかありませんでした。
ショプカが1番の目当てでしたので最初はがっかりしたのですが、ほかにも興味深い展示品がたくさんありました。

たとえば、城壁が残って残っていてバルバカンの回りが堀となっていた頃のクラクフの絵やミニチュア模型、旧市庁舎が今のように塔(時計塔)だけになる前の完全な姿(1820年の都市改造計画で本体は取り壊された。)の絵、歴史画や版画、イラストなどなど。

説明プレートには、英語でも簡単な説明が併記されていたので、絵の説明から、1850年に大火災があって、1813年には大洪水もあったんだなぁとわかりました。1848年のクラクフにおける大蜂起の様子を描いた大きな絵もありました。
1848年といえば、パリの2月革命から始まり、ヨーロッパ中で革命の嵐が吹き荒れた年ですね。
絵は、写真がない当時にとってはドキャメンタリー写真の代わりですよね。

また、かつてマーケットで使われていた硬貨や秤と分銅、樽、木おけなども面白かったです。
昔のコスチュームを着たマネキン人形もいましたよ。

クラクフの歴史についてもっと詳しければ、もっと面白かったんでしょうけど、私の感想としてはこのへんが限度でした@
ブログの1回分の長さとしても、いい加減このへんが限度でしょう@

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