写真による2004年夏の中欧旅行記(ブルノ市内観光その1)
初めて訪れたチェコの始めての街ブルノ。その前には私は東欧を旅行するの自体、初めてなんですねぇ。
だから一日、のんびり市内観光をしたとなれば、撮った写真の数もそれなりに増えます。
なので、後から見てみると、別にこれってブルノで撮る必要があったっけ?―――というような写真も、確かにありますが。
これがデジカメだったら、旅行の途中で削除してしまうんでしょうね。
幸か不幸か、いまだにフィルムカメラを使っている私。
出来不出来に関わらず、また、失敗したぁ、と思っても、全ては帰国後に現像したものを見てから出なければ判断できず。
あの旅行からすでに半年以上。
時がたてばたつほど、あの時は撮りたいんだ! と思った自分の純粋な好奇心と高揚感を、そんな写真からなつかしく思い出すことになるるので(そのちうに思い出せなくなっちゃうんでしょうけど)、これはこれでよいもんだと思えるようになりました。
といっても、せっかくここに載せるのであれば、それなりに自分でいいと思っているのに限定しますけどね。
この日、天気がよかったことも幸いしました。
実はこの夏の旅程のうち、チェコの地方周りをしていた一週間は、天気はどちらかというと曇り空が多かったのです。
観光するには、暑さがしのげてラク、と思いましたけれど、曇り空の下では、特に写真を撮る場合、建物も街も生彩を欠けて魅力が半減してしまいます。
チェコ入りして2日目、ブルノの市内観光に話を戻しましょう。
実はこの日、あいにくの月曜日。
チェコでは、博物館やお城、それから観光客に見学させてくれるめぼしい教会は、月曜日は休館のことが多いです。
行ってみてお休みばかり……というのでは、観光してても時間が余ってしまうし、せっかくなら入れるところは入れる曜日にしたい。
というわけで、この月曜日は、市庁舎内の博物館と大聖堂は月曜日でも入れるのを幸いとし、
滞在しているブルノ市から移動せず、旧市街をゆっくり観光をすることにしました。
この街の最大の見どころであるシュピルベルク城には前日に行きましたから。
そうそう、えんどう豆の交配で遺伝子研究をしたメンデルの修道院跡を使ったメンデルの博物館は、月曜日でも開いていたみたいです。
でも、少し郊外にあるので、トラムを使わないときついかもしれません。
私は、そういう博物館にはあんまり興味が沸かなかったので、歩いていける範囲にないということで行きませんでしたけど。
では、まずはこの日の前半に撮った写真を紹介したいと思います。
ブルノ大聖堂は、城ほどではないですが、小高い丘の上にあります。
年季を感じさせる黒ずんだゴシック様式の教会が街を見下ろす様は、かっこいいです。
通りの隙間に見える大聖堂に焦点を当てましたが、ブルノの旧市街は、手前に写っているような貴族の館風の建物がたくさん並んでいて、かっこいい街だなぁと思いました。
この前に訪れたウィーンほど小奇麗でないのも、妙に気に入りました。
ちなみに手前左手のオレンジの建物は、カプチン派教会で、ここのクリプタ(納骨所)には、修道士たちのミイラの「コレクション」があります。
わざわざミイラをコレクションしてきたのではなく、納骨所の空気の流れから、安置されていた遺体がことごとくミイラ化したらしいです。
全部で41体ありました。数えたんですよ、はっはっは。
次は「緑の広場」で撮った、パルナスと呼ばれる噴水です。
実は、これ、ウラです。
こっちの方が気に入ったのと、光源の加減ですね。
でも、モコモコに石が積み上げられた様はわかりますよね。
これは、フィッシャー・フォン・エルラッハの手になるものです。
エルラッハといえば、そう、ウィーンのシェーンブルン宮殿とか、カールス教会とかを建築した人。親子共同制作のものもありますが、父親の方。
マリア・テレジアやその父カール6世の時代のハプスブルグ王朝絶頂期の宮廷建築家です。
(父を後に並べるところがミソ!)
次はその「緑の広場」です。
昔っからこんな風に青物市が立つことから、そう呼ばれているみたいですね。
市場を囲む建物もステキでしょ。
「緑の広場」の写真をもう一枚。
今度は遠景……というか、中景くらいのところに大聖堂の双塔が見えるアングルで撮りました。
大聖堂の手前に見えるルネサンス様式の宮殿は、モラヴィア博物館です。
月曜日だから、閉館なの……。
次は、旧市庁舎の塔です。
市庁舎は塔を含め、博物館になっています。
入口を入ると……
アーチ型の通路の天井にワニの剥製がぶらさがっています。
これがブルノの伝説のワニ……ちがった、ドラゴンです。
でもどう見てもワニですよね。
伝説についてはあまり詳しくは知らなくて、その昔、ブルノにドラゴンが出没して人や家畜を襲い、住民が大変困っていたのを、誰かが退治したって程度。
ブルノの象徴となっているので、このワニの写真を撮って帰られた方は多いと思います。
ワニなんて気持ち悪いし、私は撮らないだろうなぁと思ったのですが、一種のミーハー根性でしょうか、ブルノの象徴ともいえるので、やっぱり撮ってしまいました。
ズームしてみます。
やっぱり気持ち悪い……。
ちなみに、さきほどの写真にあった車輪にも伝説があります。
ブルノは伝説が多い街です。
この奥が市庁舎の中庭に続き、博物館にいけます。
博物館の塔に登って、眺望を楽しむこともできます。
次の写真は塔からの眺望です。聖ミハル教会とシュピルベルク城が見えています。
シュピルベルク城に焦点を当ててみます。全貌はこんなかんじです。
塔からの眺望で、別の方向です。大聖堂と緑の広場にあったモラヴィアン博物館の宮殿が見えています。
市庁舎の入口の有名なゴシック様式の石細工。
石細工の真ん中あたりに焦点を当ててみます。
有名、というのはアントン・ピルグラムによって造られたもので、アントン・ピルグラムって誰かっていうと、ウィーンの聖シュテファン寺院内部の彫像や装飾を手がけた石工なんです。
いや、別にね、彼一人でウィーンの聖シュテファン寺院内部の彫像や装飾を手がけたわけではないでしょうが、彼の場合は説教台の台座のところにちゃっかりと自分の彫像を彫りこんでいるんですよ。
あと、この石細工、先っちょがちょっとひん曲がってますでしょ。
曲がっている先っちょをズームしてみます。
これには伝説があって、たいていのガイドブックには紹介されているようです。
すなわち、ブルノ市の報酬が少なかったんで、ピルグラムがへそを曲げてひん曲げてしまったとか。
でもブルノ観光案内所でもらった街案内のリーフレットの説明によると、もともとピルグラムの時代はバロック様式が流行っていて、バロックというのは「歪んだ真珠」の語源どおり、ひん曲がったり、くねくねしたものを好むので、流行のスタイルにすぎなかった、ってことです。
種明しをしなくても、伝説の方が面白くていいじゃーん!といっても、支払が足らなかったなんて、ブルノ市にとってはあんまり外聞のいい話ではないですからね。
次にドミニカン広場にある聖ミハル教会。
実はこれ~っ、正確には聖ミハル教会より、この手前の木を撮りたかったんですよ~。
日の光を浴びてきらきらと輝く若葉。
いいなぁって思ったんです。
でも、ただの木だけを撮るのもなんなので、どうせならということで聖ミハル教会も背景に入れました。
しっかし……。
こうして出来上がった写真を見てみますと、「木がジャマ!」ってかんじですねぇ。
あれだけ撮りたかった木なのに……。
実はもう一枚、撮っています。
似たような写真です。少しアングルを変えただけ。
若葉が美しいことは、かろうじてわかりますかね。
ちなみに、この教会、前日は中に入って見学できました。
今から思えば、ミサが終わった直後だったので、たまたま入れたようです。
中は、すばらしいドイツ・バロック様式でした。
ドイツじゃないので、ドイツ・バロック風と言い換えてもいいです。
とにかく、バロック教会らしくものすごく派手派手で豪華絢爛なのに、壁の色だの全体の色調が白だったりするせいか、どこか清楚なイメージがあるんですよ。
私はこういう教会を見るのが大好きなんです。
なので、チェコのバロック教会はああいうのかもしれない、とこの日のブルノ市内散策では、教会めぐりにとても楽しみにしていました。
んが、しかし!
どうもチェコでは、どちらかというと、ふつうの教会は、ミサ以外には開放されず、観光客が自由に入れない教会が大半でした。
どうりで、ガイドブックにも、ブルノの観光案内所でもらった観光ルート案内のリーフレットにも、聖ミハル教会をはじめ、地図には載っているのに紹介されていない教会が多いはずだ、と思いました。
ま、入れない教会って全部が全部ではないですよ、もちろん。
ただね、西欧を旅行していると(ぼんやりと思い浮かべているのは、フランスやイギリスやドイツあたりかなぁ)、キリスト教の教会は、開館時間はいつも観光客でも自由に見学できるように開放されているところが普通って思っていました。
だから、教会めぐりは観光の重要な一部だと思っていました。
なので当てが外れてしまったのです。
ま、振り返れば2003年度にオーストリアを旅行したとき、特にザルツブルグでは、ガラス越しに中は見ることが出来るけれど、観光客はお断り、としている教会も結構ありましたっけ。
ま、ザルツブルグはねぇ。あそこも観光客の数が半端じゃないですからねぇ。
私が旅行したときは夏の音楽祭の少し前でしたけれど、道行く限り観光客、観光客、観光客、あるいは路上で音楽を奏でるミュージシャン。
教会は厳かな気持ちで入って欲しいものでしょうが、あれだけたくさん観光客が訪れれば、警戒するのもわかるなぁって思いました。
つまりチェコに限らず、カトリック教会だからといって、自由に入れるというわけではないようで。
ちなみに、はじめから観光客に開放されている場合は別として、イスラム教のモスクは、女性は入れてもらえないことがあると覚悟しておいた方がいいですし(チュニジア旅行での経験より)、ユダヤ教のシナゴーグも、信者以外は入れてもらえないことがあると覚悟しておいた方がよいです(イスラエル旅行その他での経験より)。
ここらで本日の話をしめくくりましょう。
こういう、教会の中に入れるかと思って期待して行ったのに裏切られた……!という思いを何度かしながらも(何度目かには、ここもやっぱりダメか、とあきらめの境地でしたけれど)、それなりに楽しみを見つけたこの日の後半に撮った写真は、次回にご紹介したいと思います。
乞う、ご期待!
(死語……というか、死フレーズ?)

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